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 (大房岬/2017)

 

<写真の持つ役割(2)>

 

いわゆる現在の「写真」の原型は1830年代後半に発表され、その後の普及に伴い人々は写真の用途について当然ながら考えたようである。

関連書籍を読むと、例えば地理的に遠くにある場所の景観を撮影すること、古くからの建築物等、歴史的な価値のあるものや肉眼では認識の難しい

生物の微細な形状を記録する(顕微鏡との連結)媒体として利用された例がいくつか出てくる。

これはもし現在に写真というものが初めて登場したとしても、たぶん同じ事を人々は考えるだろう。

 

*ちなみに「写真」の原型の開発当初には、その画像の生成形式・描写の特徴等からいくつかのタイプが同時期に存在しているのだが、

それについてはまた別の回で詳しく調べて書きたい。今回はタイプで分けずにざっくり「写真」として考察している。

 

さて、写真というものが広まりを見せる頃、顕著になってきたのは絵画との関係性である。

カメラが普及すると風景や建築物の撮影だけには当然とどまらず、被写体のモチーフとして人間の肖像の撮影が多く行われることになる。

絵画の分野では17世紀から19世紀にかけて肖像画というものが一般の人々にも普及していったのだが、この「写真」が普及していく19世紀

半ば頃からは「肖像写真」というものが登場し、「肖像写真家」が現れ高貴な人物の撮影を始め、また同じように一般に普及していくようになる。

そして、ビジネス的な側面でも「肖像画家」として生計を立てていた者たちは「肖像写真家」に仕事を取って替わられるという事も起き始める

のである。

 

次回に続きます。

 

*今、手元の資料に「ナイアガラの滝」を背景にした初期の観光写真(観光地に撮影環境をかまえ撮影する商売)があるので載せたいのだが、

著作権の事などクリアしてから後日写真を加えたいと思います。

 

*参考文献:「写真の歴史入門」東京都写真美術館監修(新潮社)